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黄斑変性症の治療法

黄斑変性症の治療ですが、
■レーザー治療
■薬物治療
■放射線治療等
が一般的で、症状の状態によって治療方法は異なります。
とくに多いのは、網膜にレーザーをあてる「光凝固」という方法で、新生血管を焼き固める治療方法です。
しかし、目は繊細な部位のため、レーザー光線で網膜を傷め、視力の低下を招く危険もあります
他の治療方法もありますが、まだまだ不確定要素が多く、現状では確実な治療法は確立していません

失明に至ることもある滲出型のAMD

「加齢黄斑変性症」の種類には、主に2つのタイプがあります。
1.萎縮型
2.滲出型
目の中の「網膜」内の細胞が老化して、萎縮することで発症するのが萎縮型です。
このタイプは進行が遅く、視力の低下や視野の狭窄も、比較的ゆっくり進むのが特徴です。
これに対して滲出型は、症状が急激に進行し、手遅れになると失明にまで至る恐ろしい病気です。
滲出型の特徴は、黄斑部の一番外側に存在する「網膜色素上皮」が加齢などにより劣化することで起こります
「網膜色素上皮」の下に劣化した網膜の老廃物が滞留することで血流が阻害され、脈絡膜の中を走っている血管から新生血管が生まれます。
この血管が破れると、血液や滲出液が一箇所に溜まります。その結果、組織の一部が盛り上がるのです
これが滲出型です。

決め手に欠ける黄斑変性症の治療法

黄斑変性症の治療としては、これまで以下のような治療が行われています。
1.レーザー光凝固術
レーザー光により、発生した新生血管を焼いて固める治療方法です。比較的簡単な治療法で、入院することもなく、体への負担もありません。
しかし、黄斑部の中心に新生血管がある場合は、正常な組織がレーザーによって損傷し、視力や視野狭窄が進行することもあります。
2.脈絡膜新生血管抜去術
網膜の一部を切開することで、新生血管を直接抜き取ってしまう治療法です。
しかし、新生血管はとても細くもろいため、新生血管だけを除去するというのは非常に難しく、周囲にある網膜色素上皮が同時に取れてたり損傷するという危険性もあるため、高度な技術が必要です。
3.黄斑移動術
黄斑の中心部にある中心窩を移動させる治療方法です。
低下した視力が戻ることはありますが、手術後に物が二重・三重に見えたり、網膜剥離など、他のトラブルを引き起こすリスクがあります。
これらの治療法には一長一短があり、どれも決め手に欠けるというのが正直なところです。

特殊な薬剤とレーザー光で新生血管を萎縮させる

ところが最近、新しい療法が開発されました。それが「光線力学的療法」です。
この治療方法は、まず黄斑部の新生血管のところに集まる性質を持つ特殊な薬剤を点滴で注入します。
その後、薬剤が集まった新生血管に弱いレーザー光を照射します。すると、注入した薬が化学反応を起こして活性酸素を発生させるのです。
通常、活性酸素は悪影響を及ぼすとされていますが、この活性酸素は新生血管の中に血栓を作り、新生血管を詰まらせて萎縮させてしまうのです。
新生血管が萎縮すれば症状の進行は止まり、視力低下や視野狭窄の進行も同時にストップします。
これまでのレーザー光凝固術は、様々なリスクを抱えていましたが、そうした危険性はほとんどないのが「光線力学的療法」の特徴です。
数回の治療で黄斑変性症の進行が止まる
手術は薬剤の点滴に始まり、麻酔薬の点眼、レーザー光の照射、概ね20分ほどで全てが完了します。
しかし、しばらくは目が敏感になるため、2〜3日の入院が必要です。1回の治療で完了することもありますが、場合によっては複数回治療します
ほとんどの人が、数回治療を受ければ、新生血管を萎縮させることができます。ただし、低下した視力の回復や視野の狭窄については、他の治療法との併用が必要なようです。
これまで黄斑変性症には決め手となる治療法がなく、患者は失明の不安を抱えてきました。
この光線力学的療法の登場で、黄斑変性症の進行が抑えられ、失明もかなり回避できるようになったことは事実といえます。
なお、費用は2、3日の入院費込みで40〜60万円ほどです。2004年春から健康保険が適用されたので、自己負担額はこの1〜3割になります。
「黄斑変性症」について
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