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手術後に癒着を起こしてしまう例も
緑内障のメカニズムは、目の角膜の表面を満たしている水(房水)が、何らかの原因によって偶角から適切に排出さず、
房水の量が増量し、眼球内の圧力が上がる
というものです。
最近では眼圧をコントロールする治療薬の開発が進んでいますが、症状の進行を止めることは困難とされ、手術をする必要があります。
手術方法には、
「レーザー繊維柱帯形成術」
があります。
この治療方法は、房水を排出する「隅角」の先にある「繊維柱帯」の目詰まりを取り除くもので、ここにレーザー照射することで流れを改善させます。
一般的な手術となってはいますが、現状において
4割程度
の有効性に留まっています。
「レーザー繊維柱帯形成術」が効果を出さない場合、次に
「隅角繊維柱帯切開術」
または
「隅角繊維柱帯切除術」
を施術します。
この「隅角繊維柱帯切開術」という手術は、繊維柱帯での目詰りを開削により直接取り除くもので、これにより房水の流れを改善させる方法です。
また、「隅角繊維柱帯切除術」は、房水のバイパスを作る治療法で、繊維柱帯と虹彩の根元を切除します。
隅角繊維柱帯切除術は、今のところ有効な方法といわれていますが、バイパスした切開部分が癒着することで塞がってしまう例もあります。
その場合、眼圧が再度高くなるので、手術をやり直します。
抗がん剤を使用して癒着を防ぐ
そこで新たに開発されたのが、緑内障に
「抗がん剤」
を使用する方法です。
これは、細胞の増殖を抑制する抗がん剤この性質を利用することで、切開した部分の癒着を防止する方法です。
使用される抗がん剤は、
MMC(マイトマイシンC)
で、この薬を切開した箇所に付着させることで、癒着を起きにくくします。
この方法により、慢性緑内障患者の80%以上の方の眼圧が10〜21ミリと、正常値に下げることが可能となりました。
なお、抗がん剤の使用は微量のため、薬による副作用の心配はありません。
星状神経節ブロック療法とは
緑内障の悪化の原因ですが、従来は眼圧の異常とされてきましたが、近年では別の原因も考えられています。
それは、眼底の血液の流れが何らかのトラブルで阻害されることで、
視細胞の働きが悪化する
というものです。
そのため、眼底の血液の流れを改善させる治療法が注目されています。それが
「星状神経節ブロック療法」
です。
”星状神経節”とは、のどの付近に存在する神経の合流地点で、顔や気管支、心臓などの臓器、そして肺といった器官を支配する「交感神経」が全て集結しています。
目の神経である「視神経」も、この星状神経節に関与しています。
「星状神経節ブロック療法」
は、まずのどにある”星状神経節”という部分に、特殊な麻酔薬を注入します。
麻酔が効くと
交感神経の緊張がほぐれるため、周辺の血液の流れがよくなります
。
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