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病気による飛蚊症(後部硝子体剥離、網膜裂孔)
飛蚊症には
生理的なものと、病気によって発症するもの
があります。
生理的なものは、進行が遅いため放置することが多いのですが、一旦組織の変質が進行してゆくと、
■後部硝子体剥離
■網膜裂孔
と呼ばれる眼病を引き起こし、
そのまま症状が悪化すると失明することもあります
。
メカニズム
そのメカニズムは、まず
”硝子体”が変質することで繊維組織が壊れます
。
これにより
水の塊
ができ、次第に大きくなることで硝子体全体が収縮します。そして網膜と接触している部分から剥がれて行きます。
これを
「後部硝子体剥離」
といいます。
【後部硝子体剥離が発生】
硝子体膜に輪状のシワがある
≪古い後部硝子体剥離≫
輪状のシワが点になる
網膜の表面には
毛細血管
が多く走っています。
上図のように、
硝子体が網膜から剥離することで血管が破れ、出血が起こります。このとき飛蚊症が起こるのです
。
上図のような
「後部硝子体剥離」
は、近眼の人に起こりやすく、中でも女性に多く見られます。
年齢的には50歳以上の人に多いとされますが、
近年では若い方にも見られるようになったと言われています
。
網膜裂孔とは
上記のような「後部硝子体剥離」が起こるとき、16〜19%の割合で
「網膜裂孔」
が起こります。
これは、硝子体が網膜と強く癒着している場合、剥離する際に
網膜の組織が裂けることで穴が空きます
。これが
「網膜裂孔」
です。
網膜の表面にある毛細血管が破れるため、多量の出血があります。その結果、
強い飛蚊症の症状が発生します
。
網膜裂孔、網膜剥離の手術法
飛蚊症の原因が網膜裂孔の場合、剥離していなければ
「レーザー光凝固法」
で治療します。
レーザー光凝固法とは、レーザーを裂孔の周囲に照射し、
網膜を焼き付けて孔をふさぐという治療法
です。点眼による麻酔だけで行うことができ、痛みはほとんどありません。治療時間も、5〜15分程度です。
網膜剥離になってしまうと、レーザー光凝固法だけでなく、高周波電流を流して網膜を焼いてくっつける
「ジアテルミー凝固法」
が行われます。
あるいは、冷凍凝固プローブという細かいノズル型の冷凍装置で患部を固める
「冷凍凝固法」
を用いることもあります。
これらの治療法を組み合わせて、はがれた網膜を元に戻す治療や手術が行われます。
現在では、
網膜剥離を起こしても、失明の危機を回避できる可能性は高まりました。しかしその場合でも、早期治療は大前提です
。
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