ミネラルが足りないと分かっていても、その成分の性質が分からないと、何を摂ってよいのか分かりません。ここでは各ミネラルの特徴について解説します。
亜鉛
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特徴 : |
ビタミンCと共にコラーゲンの合成に関与したり、細胞膜の抗酸化の役割を果たす。皮膚や骨格の発育・維持に欠かせない。
不足すると、肌荒れ、にきび、脱毛、傷の回復の遅れ、情緒不安定などが起きる。
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カリウム
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特徴 : |
細胞壁の内側に存在し、細胞の内側と外側での物質交換に関与して、組織細胞の浸透圧の維持に中心的な役割を担っている。また、食べ物からエネルギーを作ったり、身体の水分バランスを保つ働きもある。
不足すると腸閉塞症や膀胱の麻痺、知覚が鈍くなる等の症状が起こる。
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カルシウム
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特徴 : |
骨と歯組織の構成、精神の安定、酵素の活性化、細胞の結合、心筋や筋収縮の調整など、人体になくてはならない存在。
不足すると、歯や骨がもろくなったり、骨折や変形が起こりやすくなる。また、骨粗鬆症や骨軟化症を引き起こしたり、高血圧症や動脈硬化、糖尿病を促進させる。
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クロム
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特徴 : |
ブドウ糖代謝、脂質代謝に重要な役割を果たしている。インスリン感受性を大幅に改善する効果があり、インスリンが効率よく機能し、ブドウ糖が円滑に細胞内に取り込まれる。
欠乏すると、血糖値の上昇や体重の減少、末梢神経炎や糖尿病、動脈硬化を引き起こす。 |
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コバルト
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特徴 : |
骨髄での造血に不可欠な物質。ただし、ビタミン12の成分として働くので、コバルトのみを摂取しても、体内でビタミン12は合成されない。赤血球・血色素の生成を促し、神経繊維の保護を行う。
不足すると、悪性貧血や舌炎、食欲不振や消化不良などを起こす。また、手足の痺れや集中力や記憶力の低下が起きる。 |
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セレン
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特徴 : |
体内で酸化された脂肪酸、つまり組織を老化させ、動脈硬化の引き金になる過酸化脂質の分解に働き、特にビタミンEと協力して血液の流れを改善する。また、動脈硬化など様々な病気を予防したり、免疫機能を高めて抗がん作用もある。
不足すると、免疫力が低下して感染症にかかりやすくなる。また、酸化が早く進んで、爪や筋肉が弱って老化も早まり、心臓発作・発ガンのリスクも高まる。 |
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鉄
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特徴 : |
赤血球のヘモグロビンの成分として、肺から吸収した酸素を各細胞まで運ぶ働きをする。また、筋肉中のエネルギー代謝に酸素を供給し、細胞内のエネルギー生産に関わっている。
欠乏すると、貧血、息切れ、不眠、食欲不振、慢性胃炎、胃腸障害や思考力の低下、神経過敏などの症状が起きる。
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銅
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特徴 : |
ヘモグロビンの合成、正常な造血作用に不可欠なミネラルで、肝臓や脳に多く分布している。脳内の神経化学物質の合成、筋肉や神経、免疫系を機能させる。
銅は様々な食品に含まれているため、不足する心配はほとんどないが、不足すると動静脈瘤の原因、心臓の衰弱、息切れ、貧血、骨粗鬆症などの症状が出る。 |
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ナトリウム
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特徴 : |
生命維持のために不可欠の物質で、その主な働きは、細胞膜を通しての物質交換となる。ナトリウムは細胞の外側に存在し、細胞膜の浸透圧や細胞壁のpH度、水分調整などに深く関わっている。
不足すると循環する血液量が不足し、食欲不振や筋力の低下などを引き起こす。また過剰摂取はむくみや血圧上昇(高血圧)を引き起こす。
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ニッケル
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特徴 : |
核酸の安定に関与。細胞膜の構造や肝臓、心臓、生殖機能にかかわりがあるといわれている。また、尿素の分解の促進、鉄の吸収の促進の働きを持つ。
不足すると腸の吸収障害、心筋梗塞、脳卒中、肝硬変などを引き起こす。 |
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バナジウム
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特徴 : |
血管でコレステロールの生成を抑え、心臓発作を防ぐ。高血圧、中性脂肪、便秘、頻尿、むくみ等への効果が期待されている。
不足すると、高コレステロール血症や動脈硬化、狭心症、胆石、脱毛などが起こる。 |
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マグネシウム
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特徴 : |
心臓や筋肉の働きを正常に保ち、精神安定、脂肪の代謝、血圧の正常化などの働きを行う。また、ビタミンB郡とともに、糖質や脂質のエネルギー代謝を促進して、疲労回復の手助けをする。
不足すると、神経や筋肉の痙攣(けいれん)、ふるえ、思考力、集中力の低下、疲労感、無気力、神経、精神の疾患、心疾患、貧血等の作用が起こる。
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マンガン
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特徴 : |
肝臓、膵臓、毛髪に特に多く存在する。細胞膜を酸化から守ったり、たんぱく質の合成やエネルギー作りに関与している。骨の形成を促進し、疲労やイライラを和らげ、記憶力を増進させる。
不足すると、骨の発育低下、筋無力症、、生殖能力の低下、運動失調、糖尿病などが起こる。
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モリブデン
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特徴 : |
鉄の利用を高める造血作用や銅の排泄を増大させる作用がある。また、糖質や脂質の代謝を助け、貧血予防の働きもある。
通常の食事で不足することはないが、不足すると、貧血、疲労、通風、成長減退、精力減退、神経過敏、骨折などを引き起こす。 |
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リチウム
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特徴 : |
神経機能の維持や白血球の増加作用、血圧効果作用などがある。また、生体リズムの調整や自律神経、不随意神経の機能に関与している。
欠乏を起こすと、神経障害、精神障害、めまい、頭痛、手足のふるえが起こる。 |
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リン
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特徴 : |
体内に含まれる量がカルシウムに次いで多いミネラル。体内のリンの大部分は骨や歯の中でリン酸カルシウム、あるいはリン酸マグネシウムとして存在し、筋肉、神経、脳、肝臓、などその他の全ての組織にも含まれている。
リンは、歯や骨を作り、糖質代謝を円滑に進め、神経刺激の伝達をする働きがある。不足すると、くる病や歯槽膿漏が起こる。
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